![]() インプラント及びその製造方法
专利摘要:
硬組織及び/又は軟組織と少なくとも間接的に接する表面領域に移植された状態で、少なくとも領域的にコーティングを有するインプラントを開示する。インプラントは、コーティングが、加水分解された又は加水分解されていない状態のシンバスタチン等のスタチン、又はその医薬適合塩、並びに、分岐状若しくは直鎖状の、置換若しくは無置換の、飽和若しくは部分的に不飽和の、炭素数10〜30のアルキル、アルケニル、アルキルアリール、アリール、シクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルシクロアリールアミン類又はそれらの混合物からなる群から選択される1種以上の他の成分、及び/又は1種以上の水溶性イオン性ポリマー成分を含むことによって特徴付けられることが好ましい。そのようなインプラントの製造方法、並びにそのような方法で用いることができる組成物も開示する。なし 公开号:JP2011512921A 申请号:JP2010548087 申请日:2009-02-23 公开日:2011-04-28 发明作者:レックス;カウツ アルミーン;シュロティッヒ ファルコ;シュナーベルラウホ マティーアス 申请人:トーメン メディカル アーゲー; IPC主号:A61L27-00
专利说明:
[0001] 本発明は、インプラント、特に歯科用インプラントの製造方法、及びその方法によって製造された、移植された状態で、硬組織及び/又は軟組織と接触する表面領域の少なくとも一部にコーティングを有するインプラントに関する。] 背景技術 [0002] 例えば、骨折、摩滅等の損傷又は悪性腫瘍の除去後の人体における硬組織の機能復元のために、永久的又は一時的な代替材料として、合成材料の使用が増加してきている。この場合、これらのインプラント形状の代替材料は第一に、できる限り失われた身体機能を代替する。] [0003] 構造体及びその表面の両方に関してインプラントには特別な要求がある。インプラントの構造及び幾何学等の機械的特性は、インプラントの機械的安定性に顕著に影響する。その表面の性質は、インプラントの骨への侵入にとって重要である。硬組織中でのインプラントの安定性は、インプラントの表面と周囲組織との界面での相互作用、及びインプラントの顕微鏡的及び肉眼的な形態学に決定的に依存している。例えば、インプラント表面を変えることによって、硬組織中でのインプラントの定着性、及びインプラントの親和性を改善することができ、それにより、インプラントの骨結合を促進させて治癒過程を促進する。] [0004] インプラントの骨中への骨結合は、インプラント表面の加工によって改善できる。表面処理の可能な方法としては、インプラント表面を粗くする、サンドブラスト及び/又は酸による処理が挙げられる。さらに可能な選択肢としては、プラズマ溶射法、及び電気化学的方法又はディッピング法が挙げられ、それによって異なる、多くの場合、多孔質の層をインプラント表面に形成することができる。しかしながら、インプラントの骨結合は、インプラント表面の生物学的機能化によっても促進され得る。これは、化学結合によって、前処理された表面に活性成分の分子層を設けることを伴う。] [0005] ここ数年の間、インプラント表面の種々の医薬的コーティングが開発されており、これらのコーティングは、インプラントの周囲組織に活性成分を放出し、それによってインプラントの結合を促進するので、治癒過程を促進する。そのようなインプラントに用いられるコーティング材料は、例えば、骨粗鬆症等の変性骨障害の全身療法のために投与されるタンパク質生成成長因子、又は他の医薬品であってもよい。ここで使用される、ビスホスホネート、カルシトニン及びエストロゲン等の医薬の多くは、骨吸収を阻害することによって骨形成に寄与し、一方で遺伝子組み換えヒト骨形成蛋白質2(rhBMP−2)のようなヒト骨骨形成タンパク質(BMP)は新骨の形成を刺激する。] [0006] シンバスタチン(INN)等のスタチン類がin vitro及びin vivoの両方で骨形成を促進できることが最近報告された。特に、シンバスタチンはスタチン類からなる群の脂溶性の代表例である。スタチン類は3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムAレダクターゼ(HMG−CoAレダクターゼ)阻害剤類の薬理学的物質クラスに属し、ヒトコレステロールの合成における律速段階である、β−ヒドロキシ−β−メチルグルタリル−コエンザイムAのメバロン酸への変換をブロックする。これらの医薬は、コレステロールの生合成の強い阻害剤であり、例えば、代謝異常を有する患者のコレステロールを低下させるために投与される。さらに、それらは、例えば、アテローム性動脈硬化等の心臓血管疾患の治療、及び急性心筋梗塞の場合に用いられる。臨床的に利用されるスタチン類の例としては、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン及びシンバスタチンが挙げられる。] [0007] 化学用語において、シンバスタチンは、[(1S,3R,7R,8S,8aR)−8−[2−[(2R,4R)−4−ヒドロキシ−6−オキソ−オキサン−2−イル]エチル]−3,7−ジメチル−1,2,3,7,8,8a−ヘキサヒドロナフタレン−1−イル] 2,2−ジメチル酪酸塩である。] [0008] シンバスタチン] [0009] シンバスタチンは、ラクトン形態(上記式参照)で商業的に入手できる。しかしながら、シンバスタチンは、ラクトン形態から最初に変換されなければならない開鎖式又はβ−ヒドロキシ酸形態として知られる、代謝的に活性な形態で生理作用を有する。ラクトン環の開環のための合成方法は当業者に公知である。] [0010] 既に実証されているように、BMP−2は多能性幹細胞株の造骨細胞様細胞への分化を引き起こす。従って、BMP類は、折れた骨の治癒の際の骨細胞の分化における重要な調節因子である。どの小さな分子がBMP−2を誘導するかを研究するために、30,000種類を超える化合物を検討し、BMP−2の遺伝子発現に対するその効果を試験した。スタチン類が、このBMP−2mRNAの発現を促進することを見出した。従って、スタチン類の薬理学的作用は、おそらく骨細胞中でのBMP−2の遺伝子発現の促進に起因している。] [0011] 骨の新たな形成に対するシンバスタチンの誘導効果はすでに研究されている。これらのin vitro及びin vivo研究のために、シンバスタチンの投与に各種の投与形態を用いた。] [0012] 例えば、純粋チタンのインプラントをラットの脛骨中に移植し、シンバスタチンを腹腔内に毎日投与した。このように処置された動物において、ネットワーク様構造を有する密な骨梁が髄管(medullarchannel)内に見出された。骨のインプラントとの接触率及びインプラント周囲の骨密度の研究は有意な増加を示す。しかしながら、ここでシンバスタチンは全身的に作用するので、骨増殖のみを刺激するには非常に高い用量が必要である。] [0013] シンバスタチンは、生体適合性であり、生体吸収され得るキャリア材料として硫酸カルシウムと共にも既に使用されている。この目的のために、2種の粉末を混合し、ディスク状にしてラットの骨に挿入した。シンバスタチンを含有するディスクの導入から8週間後に、硫酸カルシウムのみを導入又はどちらの物質も導入していない対照群と比べて、骨密度、骨のミネラル含有量及び骨ミネラル密度の顕著な増加が観察された。] [0014] シンバスタチンに用いられた他のマトリクスはコラーゲン及びゼラチンであった。この場合、シンバスタチン水溶液で含浸された、精製したウシコラーゲンからなるコラーゲンスポンジを、ウサギの頭頂骨中の骨折を治療するために用いた。骨の治癒に重要な成長因子が、結果としてより早い段階で検出された。シンバスタチンは、成長因子の早期の発現、骨細胞の分化及び骨形成を起こさせ、新しい骨の形成を促進させた。ラットの顎骨の骨折の治療のために、さらに、シンバスタチンを予めゼラチンスポンジ中に導入した。この場合も、骨密度は、活性成分を投与していない対照群よりも190〜240%高かった。組織学的研究で、新しい骨の形成の促進が検出された。] [0015] 顆粒及びゲルからのシンバスタチンのin vitroにおける放出は、同様にすでに研究されている。顆粒及びゲルに用いられる出発物質は生体適合性の分解可能なポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースであった。24時間後、顆粒及びゲルの場合、放出曲線はシンバスタチンの放出は漸増を示した。これらの研究では、ポリマー及びシンバスタチンは単に混合されて顆粒を製造し、アルコールと水の各種混合物又は希乳酸に浸し、篩いを通し、次いで乾燥している。これにより、800〜1500μmのサイズの顆粒が得られる。ゲルの製造に関しては、ポリマーを段階的に水に分散させ、このポリマー分散液を凍結させ、放出(release)開始の前にシンバスタチンをゲル系に塗布した。この操作では、一緒に存在するシンバスタチンとポリマー系との間に相互作用は生じ得ず、最初の24時間の内に迅速に放出されることが明らかにされている。] [0016] 骨増殖の促進のための、この場合のシンバスタチンと、NO提供系及びホスホジエステラーゼ(PDE)系とをさらに組合せた使用が特許文献1に記載されており、そこで為された一つの示唆は、活性物質の制御された放出のためのこのような組合せ製剤はフィルム中に導入することができ、次いでフィルムをインプラントが結合する前にインプラントの周囲に巻き付けることができることである。] [0017] 特許文献2には、「医薬」を運ぶことができる、変形可能な管状のインプラントが記載されており、このインプラントの少なくとも一部に生体適合性材料、生分解性材料又は合成樹脂からなるコーティング材料を設けることが可能である。記載されたコーティング材料は、「医薬」、生体組織材料又は生合成材料が加えられていてもよい生分解性材料からなっていてもよい。このコーティング材料は生体適合性材料、生分解性材料又は合成樹脂からなる。状況が類似する特許文献3は、合成ブロック共重合体からなるポリマー組成物を開示しており、それは治療活性成分の放出に、例えばコーティングの形態で使用できる。合成ブロック共重合体からなる開示された組成物を参照すると、生体内において、この材料は全く溶解しないか又は非常にゆっくりと溶解するだけなので、生体内に永久的に、又は少なくとも非常に長い期間留まると予測できる。従って、この発明は、ポリマーコーティング系について知られている全ての欠点を本質的に内包し、この問題の別の解決方法を開示してはいない。] [0018] 特許文献4は、1種以上の活性成分を含む管状体を導入することによって、脈管中でのプラーク形成を治療する方法を開示しており、この活性成分はのみ、又はポリマーとの組合せでインプラントの表面に適用される。上記内容は活性成分との組合せでポリマーを用いる場合に適用される。] 先行技術 [0019] WO2004/091626パンフレット EP1159934公報 USP6545097公報 US2007/0048351公報] 発明が解決しようとする課題 [0020] 本発明は、改良されたインプラント、好ましくは歯科用インプラントの製造に関し、当該インプラントは、良好な骨結合及び骨接合を有しながら、簡単で安価な方法で製造できる。] [0021] 即ち、本発明は、移植された状態で、硬組織及び/又は軟組織と少なくとも間接的に、好ましくは直接的に接する表面領域の少なくとも一部に、コーティングを有するインプラントの製造方法の改善を含む。] [0022] 特に、加水分解された若しくは加水分解されていない形態のスタチン、又はその医薬適合塩、及び分岐状若しくは直鎖状の、置換若しくは無置換の、飽和若しくは部分的に不飽和の炭素数10〜30のアルキル−、アルケニル−、アルキルアリール−、アリール−、シクロアルキル−、アルキルシクロアルキル−及びアルキルシクロアリールアミン、並びにそれらの混合物からなる群から選択される1種以上のさらなる成分、及び/又は1種以上の水溶性イオン性ポリマー成分を含むコーティングによって上記改善が達成される。] [0023] コーティング中で、スタチンは、開鎖状の生物学的に活性なジヒドロキシ酸形態から誘導される医薬適合塩の形態で、1種以上のさらなる成分と共に存在する。上記で列挙した成分との混合塩の形成を可能にするのはジヒドロキシ酸形態のみである。] [0024] コーティングの1層以上(又はコーティング全体)が、本質的にさらなる成分を有しない層からなることが好ましい。生体適合性材料、生分解性材料又は合成樹脂からなるコーティング材料が存在しないことが好ましい。] [0025] 先行技術からの基本的な区別的特徴は、生体適合性材料、生分解性材料又は合成樹脂からなるコーティング材料を用いず、その代わりに活性成分の特定の化学構造(低分子量の又はポリマーの水溶性の低いアンモニウム塩)により、そのようなコーティング材料を完全に省くことができ、それによって、そのような材料の公知の実証されている全ての欠点(制御されない分解、異物との反応、コーティングからのポリマー粒子の剥がれ落ち)を回避できることにある。活性成分の塩の特定の化学構造が、活性成分のインプラント表面への付着を確実にする。このことは、従来の活性成分の場合には通常想定できず、それ故、追加的なコーティング材料の使用を必要とする] [0026] 先行技術、例えば特許文献2は、インプラント表面への医薬の適用に関し、さらなる発展は無く、多くの報告や特許から公知の先行技術を繰り返しているに過ぎない。これは、コーティングを製造する実施例2でも具体的に示されているが、有機溶媒中の活性成分(セリバスタチン)及びポリマー(ポリラクチド)の混合物が用いられている。抗増殖性効果が達成されるべき使用分野は、実質的に脈管狭窄又は閉塞の治療に関することは本明細書の背景技術の記載からも明らかである。一方で、本発明の使用分野は、インプラントの周囲組織への結合挙動における改善、即ち、周囲の細胞の増殖の刺激に関する。増殖促進作用を誘導することを意図しているコーティングへの抗増殖性インプラントコーティングの適用は自明ではない。] [0027] 一般に、本発明においては、スタチンとはスタチンそれ自体を意味すると理解され、これが好ましい。しかしながら、スタチンは、スタチンと同様に作用する成分、即ち、イソプレノイド/ステロイド経路との関連で同様に有効であるが、スタチンそれ自体の標的(即ち、HMG−CoAレダクターゼ)に直接影響を及ぼさないアパミン又はザラゴジン酸等の成分を意味するとも理解されるべきである。] [0028] スタチンは原則として最終的には、加水分解された又は加水分解されていない形態で存在していてもよく;従って、閉環状又は開環状のラクトン環を有していてもよい。] [0029] さらに好ましくは、提案されているコーティングは、ヒト又は動物の骨中に挿入された後、周囲にゆっくりとスタチン、好ましくはシンバスタチンを放出することを特徴とする。] [0030] スタチンは、次の群から選択される成分であることが好ましい:アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、メバスタチン、スクアレスタチン及びシンバスタチン、並びにこのような成分の混合物。スタチンはシンバスタチンであることが最も好ましい。] [0031] 第一の好ましい実施態様では、スタチン及びさらなる成分及び/又は水溶性イオン性ポリマー成分は、水溶性の低い複合体又は混合塩としてコーティング中に存在する。複合体又は混合塩の純水中の溶解性は、室温で1mg/mL未満であることが好ましく、室温で0.05〜0.9mg/mL未満の範囲であることが好ましい。] [0032] さらに好ましい実施態様では、さらなる成分が、1種以上の非分岐状の、好ましくは無置換の、炭素数10〜20のアルキルアミン(アミンは置換されていてもよい)、及び/又はそのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属塩であり、次の群から選択されることが好ましい:デシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン及びドデシルアミン。] [0033] さらなる成分は、両親媒性成分であることが好ましい。さらなる成分は陽イオン性であることが好ましく、1価の陽電荷を帯びていることが特に好ましい。] [0034] さらに好ましい実施態様では、インプラントは、スタチンが遊離のジヒドロキシ酸形態で、好ましくは少なくとも一部がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及び/又はマグネシウム塩形態、及び/又はアンモニウム陽イオンとしてのさらなる成分との塩の形態で存在する。] [0035] 水溶性イオン性ポリマー成分に関しては、水溶性イオン性ポリマー成分が遊離の陽性基を有するポリマー成分であり、特に生物学的に適合性のバイオポリマーから誘導されたポリマー成分であることが好ましい。水溶性イオン性ポリマー成分は、天然の多糖類のアミノ基含有誘導体、特に好ましくはデキストラン、セルロース、澱粉、プルラン及びキトサン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される多糖類のアミノ基含有誘導体を含むことが好ましい。] [0036] スタチンは、遊離のジヒドロキシ酸形態で存在し、好ましくはアルキルアミンとして選択されたさらなる成分は10:1と1:5の間のモル比で、好ましくは2:1〜1:2のモル比でコーティング中に存在する。] [0037] 好ましくは遊離のジヒドロキシ酸形態の選択されたスタチン及び水溶性イオン性ポリマー成分は、コーティング中に、それぞれ遊離のジヒドロキシ酸形態で用いられるスタチンのカルボキシル基とポリマー成分中に存在する陽性基に基づいて、10:1と1:5の間のモル比、好ましくは2:1〜1:2のモル比で存在することが好ましい。] [0038] さらに好ましい実施態様は、コーティングを、滑らかな、多孔質の及び/又は粗れた面にキャリア無しで塗布し、インプラントは、好ましくは、その少なくとも一部又は部分的に金属及び/又はセラミック及び/又はポリマーからなり、及び/又は天然由来であり、特に好ましくは、コーティングは、直接的かつ中間層無しでそのようなインプラントに塗布され、インプラントは、好ましくは、リン酸カルシウムセラミック、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムセラミック、バイオガラス、ガラスセラミック、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、有機ポリマー又はこれらの材料の複合体、又は純粋チタン、チタン合金、コバルト−クロム合金又はステンレスから形成された金属製のインプラントの表面、若しくは、コラーゲン、ゼラチン又は同種起源の材料からなる天然のインプラントの表面を有する。] [0039] コーティングの厚さは、通常1と10μmの間、好ましくは0.5〜5μmである。] [0040] コーティングは、移植前は本質的に水分を含まない、乾燥した、実質的に溶媒を含まないコーティングであることが好ましい。] [0041] さらに好ましい実施態様では、コーティングを、有機溶媒、任意に水との混合物中のスラリー又は懸濁液として、好ましくはディッピング又は噴霧法で塗布し、次いで実質的に完全に乾燥することを特徴とする。] [0042] インプラントは、歯科用インプラントであることが好ましい。] [0043] 従って、本発明は、上述したインプラントの製造方法に関する。好ましくは、この方法は、懸濁媒体又は溶媒中のスタチンの及び1種以上のさらなる成分及び/又は水溶性イオン性ポリマー成分の懸濁液及び/又は溶液のいずれかを製造し、コーティングを、この懸濁液又は溶液のスプレー塗布、滴下塗布又はディッピングによって被覆されるべきインプラント表面に塗布し、懸濁媒体又は溶媒を、好ましくは蒸発又は気化により除去して水溶性の低いスタチン含有乾燥コーティングを形成することを特徴とする。] [0044] この方法の別の方法では、操作は、懸濁媒体又は溶媒中の1種以上の成分及び/又は水溶性イオン性ポリマー成分の第一の懸濁液及び/又は溶液、及び懸濁媒質又は溶媒中のスタチンの第二の懸濁液及び/又は溶液を製造し、第一又は第二の懸濁液及び/又は溶液をスプレー塗布、滴下塗布又はディッピングによって被覆されるべき表面に塗布し、懸濁媒体又は溶媒を、好ましくは蒸発又は気化によって除去し、次いで、他方の懸濁液及び/又は溶液をスプレー塗布、滴下塗布又はディッピングによって被覆されるべき表面に塗布し、懸濁媒体又は溶媒を、好ましくは蒸発又は気化によって除去して水溶性の低いスタチン含有乾燥コーティングを形成する。] [0045] 提案されている方法の第一の好ましい実施態様は、スタチン及び/又はさらなる成分及び/又はイオン性ポリマー成分を含む懸濁液及び/又は溶液の濃度が、スタチン及びさらなる成分及び/又はイオン性ポリマー成分が、10:1〜1:5、好ましくは2:1と1:2の間の割合でin situ塩形成によって形成されるコーティング中に存在するように選択されることを特徴とする。] [0046] スタチン及びさらなる成分及び/又はイオン性ポリマー成分を含む懸濁液及び/又は溶液は、1種以上のアルコール又はアルコール−水混合物(好ましくは25:75の割合の)に溶解させたスタチンのジヒドロキシ酸形態と、1種以上のアルコール又はアルコール−水混合物中に溶解させたさらなる成分及び/又は水溶性イオン性ポリマー成分を混合し、混合塩として沈殿生成物を単離し、次いでこの混合塩を溶媒又は懸濁媒体中に溶解又は懸濁することによって製造されることが好ましい。] [0047] 懸濁媒体又は溶媒は一般に、懸濁媒体混合物又は溶媒混合物であってもよい。] [0048] 提案した方法のさらに好ましい実施態様は、用いる懸濁媒体又は溶媒が、水又は1種以上の有機懸濁媒体若しくは溶媒、好ましくは懸濁媒体としてのクロロホルム又は溶媒としてのエタノール及び/又はメタノール、又は混和性に関して化学的に可能ならこれらの系の混合物であることを特徴とする。] [0049] コーティングは、有機溶媒中の懸濁液又はスラリーとして、好ましくは噴霧又はディッピング方法で塗布し、次いで完全に乾燥させることが好ましい。] [0050] 本発明はさらに、上記特定の懸濁液/溶液という意味でスタチン含有組成物に関する。この組成物は、好ましくはアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、メバスタチン、スクアレスタチン、ロスバスタチン及びシンバスタチン、並びにこれらの医薬適合塩からなる群から選択される閉環状又は開環状のラクトン環を有するスタチン、及び分岐状若しくは直鎖状の、置換若しくは無置換の、飽和若しくは部分的に不飽和の、炭素数10〜30のアルキル−、アルケニル−、アルキルアリール−、アリール−、シクロアルキル−、アルキルシクロアルキル−及びアルキルシクロアリールアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のさらなる成分、及び/又は水溶性イオン性ポリマー成分を含む、水性媒体への溶解性が低い、混合塩の形態である。] [0051] インプラントに関連する上記で特定した好ましい実施態様は、スタチン、さらなる成分及び同様に水溶性イオン性ポリマー成分に対して適用される。即ち、これらは特許請求した組成物と関連して明示的に記載及び開示されている。] [0052] 例えば、組成物の第一の好ましい実施態様は、混合塩の純水中での溶解度が、室温で1mg/mL未満、特に好ましくは室温で0.05−0.9mg/mL未満の範囲であることを特徴とする。] [0053] 組成物のさらに好ましい実施態様は、例えば、さらなる成分が1種以上の非分岐状の、好ましくは無置換の、炭素数10〜20のアルキルアミン及び/又はそのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属塩であり、好ましくはデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン及びドデシルアミンからなる群から選択されることを特徴とする。] [0054] 別の好ましい実施態様は、例えば、水溶性イオン性ポリマー成分が、天然の多糖類、特に好ましくはデキストラン、セルロース、澱粉、プルラン及びキトサン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される多糖類のアミノ含有誘導体(例えば、ジエチルアミノエチル、エチレンジアミノ又はアミノ基)を含むことを特徴とする。] [0055] さらに、本発明は、上述した方法との関連で上述した組成物の使用、即ち、金属製、非金属製又は天然のインプラント表面をコーティングするための使用に関し、前記インプラント表面は滑らかで、構造化された及び/又は多孔質であることが特に好ましく、前記インプラントは歯科用インプラントであることが好ましい。] [0056] まとめると、本発明の目的は、移植された状態で、硬組織及び/又は軟組織と接する表面領域に特定のコーティングを有する歯科用インプラントによって達成されると言える。硬組織及び/又は軟組織との接触は、直接的、或いは開口部、溝及び/又はさらなる層若しくは複数の層を介して間接的であってもよい。スタチン、特に好ましくはシンバスタチンの放出は、上述した表面構造によって、僅かに変化するだけか、又は全く変化しない。コーティングは、1種以上のスタチン及び好ましくはアミノ基含有水溶性イオン性ポリマー類及び/又はアルカン類を含む。] [0057] さらに、異なるスタチン類の混合物及び異なるアミノ含有水溶性イオン性ポリマー類及び/又はアルカン類の混合物であってもよい。] [0058] 本発明は本質的に、インプラントの結合後、スタチンがインプラントの表面から離れて非常に迅速に運ばれるのに対し、上記特定の成分からなる混合塩は、インプラントをヒト又は動物の身体に導入した後、インプラントと周囲の硬組織及び/又は軟組織の間の界面にスタチンを長期間固定する結果、長期間に渡って効果を発揮するという事実に基づいている。これらの混合塩の各成分を適切に選択することによって、歯科用インプラントのコーティング後、数日から数週間に渡るインプラント表面上の及びその直接的な周囲におけるスタチンの放出、従って、そのバイオアベイラビリティが達成できる。本発明によれば、コーティングの2つの成分が混合物又は複合体、好ましくは水溶性の低い混合塩として存在する。イオン性ポリマー及び混合塩の形成に用いられる物質の良好な付着性によって、混合塩中に存在するスタチン類も歯科用インプラント材料の表面に、スタチンのみの場合より良好に付着し、混合塩を乾燥コーティングとして塗布することができる。] [0059] 例えば、シンバスタチンのラクトン形態は、エタノール及びエタノールが50%以上のエタノール/水混合物に溶解するのに対し、シンバスタチンの開鎖酸形態は、エタノールがたった25%のエタノール/水混合物に溶解する。] [0060] インプラントのコーティングからの低分子量の活性成分の周囲の水性媒体への放出量は、本質的にコーティングからの活性成分の拡散によって決定される。拡散は、周囲の水性媒体中の活性成分の溶解性に依存する。シンバスタチンの非水溶性ラクトン形態の水溶性開鎖ジヒドロキシ酸形態への変換の結果、そのより良好な溶解性によって、シンバスタチンは迅速に吸収され、歯科用インプラントの生理的な環境から離れて運ばれ、従って、作用部位に遅延作用が起こらないと予測される。従って、本発明の根本的な思想の一つは、生物学的に活性であるが、水溶性の開鎖形態のシンバスタチン(又は活性成分)を乾燥した層として塗布できる僅かに溶解性の塩形態に変換することである。活性成分の利用率は、遊離の活性成分と僅かに水溶性の塩の成分として存在する活性成分との間の溶解度平衡によって決定される。従って、活性成分の拡散は、溶解度平衡によって進行し、この平衡は律速段階として拡散に取って代わる。従って、シンバスタチン(又は一般にスタチン)が、本発明で詳細に説明した水溶性イオン性ポリマー又はアミノ含有化合物のような、適切な陽イオン性反応パートナーと共に、僅かに水溶性の塩を形成することは、そのゆっくりとした放出にとって重要である。] [0061] シンバスタチン(スタチン類一般)の開鎖ジヒドロキシ酸形態及びアミノ含有水溶性イオン性ポリマー又は低分子量アミノ含有化合物の前記塩においては、シンバスタチン(一般にスタチン)は陰イオン性成分を構成し、アミノ含有水溶性イオン性ポリマー又は低分子量アミノ含有化合物は陽イオン性成分を構成する。これらの塩は、歯科用インプラントの金属製又は非金属製の表面用のコーティングとして使用できる。] [0062] これらの塩を用いた歯科用インプラントのコーティングは、先行技術によれば、中間層又は追加の支持体を使用せずに歯科用インプラントに直接塗布できる。従って、コーティングは実質的又は完全にすでに検討した混合塩からなる。] [0063] コーティングされる歯科用インプラントは、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウムセラミック、ガラスセラミック、バイオガラス、有機材料又はこれらの材料の複合体から形成された歯科用インプラント、及び純粋チタン、チタン合金、コバルトとクロムの合金又はステンレスから形成された歯科用インプラント、又はゼラチン、コラーゲン若しくは同種起源の材料等の天然成分から形成された歯科用インプラントであり得る。さらに、そのようなコーティング方法に好適な非金属材料は、酸化アルミニウムセラミック及び酸化ジルコニウムセラミックスである。これらの歯科用インプラントは、滑らかな、多孔性の及び/又は粗い表面を有していてもよい。構造化された表面の使用が好ましいが、表面構造は、機械的な方法(例えば、サンドブラスト)及び/又は化学的な方法(例えば、酸処理、塩溶融処理)によって製造できる。] [0064] 対応する材料の表面は、ディッピング、噴霧又は滴下等の各種のコーティング方法を用いて被覆できる。これらの方法では、懸濁媒体又は溶媒の蒸発又は気化によって、僅かな水溶性を有するシンバスタチン含有(一般にスタチン含有)コーティングを形成する。] [0065] 本発明によれば、シンバスタチン(一般に、スタチン)とアミノ含有水溶性イオン性ポリマー又は低分子量アミノ含有化合物の前記混合塩は、微細に分散された水の懸濁液の形態で、又は揮発性有機溶媒、例えば、アルコール類又はクロロホルム等の溶液としてコーティング方法に用いられる。] [0066] コーティングされたインプラントは、公知の乾燥方法、例えば、高温での乾燥及び/又は減圧下での乾燥又はガス気流中での乾燥によって乾燥することができる。] [0067] 本発明で説明したコーティングは、ヒト若しくは動物の組織又は骨へのインプラントの手術による挿入後、ゆっくりと長期間に渡ってインプラント周囲の環境にシンバスタチン(一般にスタチン)を放出する結果、そこでその効果を達成できる点が特徴的である。] [0068] 発明を実施する方法 シンバスタチンのジヒドロキシ酸形態の製造 検討したイオン性ポリマー(又はアミノ基を有する不飽和アルキル化合物)とのシンバスタチンの僅かに水溶性の塩を形成するために、シンバスタチンを、その酸形態に変換しなければならない。これは、シンバスタチンのラクトン形態を、開鎖状の、生物学的に活性なジヒドロキシ酸形態に変換することを含む。] [0069] ラクトン形態のシンバスタチン25mg(59.72μモル)を、0.625mLのエタノールに溶解し、0.1N水酸化ナトリウム溶液0.9375mLを加えた後、50℃で2時間攪拌した。室温まで冷却した後、0.1N塩酸溶液を用いて、この溶液のpHを2.5又は7.2に調整した。飽和塩化ナトリウム溶液を用いて、クロロホルム(5×2.5mL)で抽出することによってこの溶液から開鎖の酸形態を得た。硫酸ナトリウムでクロロホルムを乾燥(1時間)させた後、ロータリーエバポレーターでクロロホルムを除去し、透明な生成物を減圧下(10mbar)で乾燥した。次いで、シンバスタチンを2.5mLのエタノール又は5mLのエタノール−水混合物(1:1)に溶解した。pH7.2に調整したシンバスタチンの酸形態を完全に溶解させるために、50℃で18時間攪拌しなければならなかった。] [0070] 或いは、pH7.2に調整した後の開鎖状のシンバスタチンに水を加えて総体積を2.5mLにした後、クロロホルムによる抽出を行わずに用いることもできる。] [0071] シンバスタチンの開鎖状の、生物学的に活性なジヒドロキシ酸形態の特徴付け NMRデータ:1H NMR(メタノール−d4,重水):6.0(d,1H,CH);5.8(m,1H,CH);5.5(m,1H,CH),5.3(d,1H,CH);4.9−5.1(3sオーバーラップ,ブロード,およそ3H,OH);4.1(m,1H,CH);3.7(m,1H,CH),2.25−2.5(3mオーバーラップ,4H,CH2及びCH);1.9−2.05(m,1H,CH);1.45−1.7(4m,オーバーラップ,7H,CH及びCH2);1.15−1.45(2m,4H,CH2);1.1(2sオーバーラップ,6H,CH3);0.95(d,3H,CH3);0.9(d,3H,CH3);0.8(d,3H,CH3);13C NMR:181.1:C(4級);180.8:C(4級);134.8:CH;133.0:C(4級);130.5:CH;129.5:CH;71.5:CH;70.6:CH;68.9:CH;49.2:CH;45.7:CH2;44.8:CH2;44.3:C(4級);38.3:CH;38.2:CH2;35.3:CH2;34.1:CH2;33.4:CH;28.3:CH2;25.7:CH;25.2:CH3;25.2:CH3;23.6:CH3;14.1:CH3;9.9:CH3.] [0072] IRデータ:特性吸収帯の波数[1/cm]:3360(−OHVV);3018(=C−HVV);2966(−C−HVV);2933(−CH2VV);2872(−CH3VV);1718(−C=OVV);1571(−C−OVVカルボン酸中);1400(−CH3−及びCH2DV);1313(−C−OVV カルボン酸中);1262(−C−O−CVV);1161(−C−OVV);1126(−C−OVV);1057(−C−OVV);860(=C−HVV);(VV:原子価振動;DV:変角振動).] [0073] シンバスタチンのジエチルアミノデキストラン塩の製造 開鎖酸形態に変換され、クロロホルムでの抽出を行わずにpH7.2に調整され、総体積2.5mLに溶解されたシンバスタチン25mg(59.72μモル)を最初に入れ、エタノール0.625mL及び水1.8725mLに溶解されたジエチルアミノエチルデキストラン(置換度:0.5)27.47mg(119.44μモル)をこの溶液に加えた。形成された乳白色の懸濁液を室温で18時間攪拌した。次いでこの懸濁液を14000rpmで10分間遠心分離した。透明な上澄を除去し、沈殿物を蒸留水で洗浄し、減圧下(10mbar)、室温で2日間、デシケーター中で乾燥した。最終生成物を77.1%の収率で得た。] [0074] シンバスタチン−キトサンの製造 (クロロホルムでの抽出を行わずにpH7.2に調整した)シンバスタチンの開鎖酸形態25mg(59.72μモル)を1%溶液として、エタノール25%と水75%の混合物中の1%酢酸に溶解した。キトサンも同様に溶解した。キトサン溶液0.962mL、即ち、9.62mg(59.72μモル)のキトサンを、シンバスタチン溶液に加えた。形成された繊維状の沈殿物を室温でさらに18時間攪拌し、遠心分離(10分;14000rpm)し、蒸留水で洗浄した。このように処理された沈殿物を、減圧下(10mbar)、2日以上、デシケーター中で乾燥した。得られたシンバスタチン−キトサンの収率は73.9%であった。] [0075] シンバスタチンの開鎖酸形態とキトサンとの塩の特徴付け IRデータ:特性吸収帯の波数[1/cm]:3375(−OHVV);2967(−C−HVV);2931(−CH2VV);2877(−CH3VV);1716(−C=OVV);1560(−C−OVVカルボン酸中,−NHDV,オーバーラップ);1390(−CH3DV);1313(−C−OVV カルボン酸中);1260(−C−O−CVV);1158(−C−OVV);1058(−C−OVV);861(=C−HVV);(VV:原子価振動;DV:変角振動).] [0076] シンバスタチン、ジエチルアミノエチルデキストラン及びカルボキシメチルセルロースからなる塩の製造 シンバスタチンを開鎖酸形態に変換し、pH2.5に調整し、クロロホルムで抽出した後、それをエタノール50%と水50%の溶液3.75mL中に溶解した。水1.25mL中のジエチルアミノエチルデキストラン(置換度:0.5)27.47mg(119.44μモル)と水1.25mL中のカルボキシメチルセルロース(置換度:0.84)15mg(71.13μモル)の溶液をこの溶液に加える(置換度を考慮したシンバスタチン:ジエチルアミノエチルデキストラン:カルボキシメチルセルロース比=1:1:1)と、白色沈殿が生成した。この懸濁液を室温で18時間攪拌した。遠心分離(10分;14000rpm)後、透明な上澄を除去し、沈殿物を蒸留水で洗浄した。得られた生成物を減圧下、2日以上デシケーター中で乾燥した。シンバスタチン:ジエチルアミノエチルデキストラン:カルボキシメチルセルロース比を1:1:1から1:1:2を介して2:2:1に変化させた。それぞれのバッチの収率は、1:1:1で65.6%、1:1:2で56.4%、及び2:2:1で41.0%であった。] [0077] シンバスタチン−オクタデシルアミン塩の製造 エタノール0.625mL中でエタノール性水酸化ナトリウム溶液を用いて開鎖酸形態に変換したシンバスタチン25mg(59.72μモル)を、総体積2.5mLのエタノールに溶解した。エタノール2.5mLに溶解したオクタデシルアミン16.1mg(59.72μモル)を加えた後、混合物を室温で24時間攪拌した。次いで、蒸留水5mLを加え、混合物を室温でさらに2時間攪拌した。形成された沈殿物を一旦遠心分離(10分;14000rpm)し、減圧下(10mbar)、室温で2日以上、デシケーター中で乾燥した。シンバスタチン−オクタデシルアミンの収率は32.3%であった。] [0078] シンバスタチンの開鎖酸形態及びオクタデシルアミンからなる塩の特徴付け IRデータ:特性吸収帯の波数[1/cm]:3331(−NHVV);2956(−CH3VV);2917(−CH2VV);2850(−CH2VV);1719(−C=OVV);1647(−NHDV);1570(−C−OVVカルボン酸中,−NHDV,オーバーラップ);1487(RV);1472(−CH3及びCH2DV);1392(−CH3DV);1317(−C−OVV カルボン酸中);1158(−C−OVV);(VV:原子価振動;DV:変角振動;RV:環の振動).] [0079] 歯科用インプラントのコーティング チタン又はチタン合金で形成された歯科用インプラントの表面の、骨と接触する領域を、サンドブラスト及び酸エッチング法によって粗くした。上記のシンバスタチン−オクタデシルアミン塩の懸濁液を製造するために、10分間攪拌しながらシンバスタチン−オクタデシルアミン塩41mgをエタノール1mLに分散した。超音波ホモジナイザーで処理(総電力20ワット)し、均一な懸濁液を得た。] [0080] この歯科用インプラントを70℃に加熱した後、適当量の上記懸濁液を従来のスプレーガンを用いて繰り返しインプラントに噴霧した。この噴霧操作の際、好適な装置に固定されたインプラントは、その長手方向の軸の周りを均等に回転させた。それぞれの及び全ての噴霧操作が終わった後、懸濁媒体が完全に蒸発するまで歯科用インプラントを70℃で乾燥した。] [0081] 歯科用インプラントをシンバスタチン−ジエチルアミノエチルデキストラン塩で被覆した後、50℃で5分間攪拌しながら、10mgのこの塩を1mLのエタノールに溶解した。酢酸含量が1%の、エタノールと水の混合物(75体積%/25体積%)1mL中10mgのキトサンの溶液をこの溶液に加え、メタノール中1%の酢酸溶液4mLで希釈した。得られた粘稠性の溶液を超音波ホモジナイザー(総電力20ワット)でホモジナイズし、上記のように加熱した歯科用インプラントに噴霧した。] 実施例 [0082] このように製造されたインプラントは、in vitroで良好な性能及びin vivoで良好な取り込み性能を示した。]
权利要求:
請求項1 移植された状態で、硬組織及び/又は軟組織と少なくとも間接的に接する表面領域の少なくとも一部にコーティングを有するインプラントの製造方法であって、該コーティングは、開鎖状の、生物学的に活性なジヒドロキシ酸形態から誘導された医薬適合塩形態のスタチンと、分岐状若しくは直鎖状の、置換若しくは無置換の、飽和若しくは部分的に不飽和の、炭素数10〜30のアルキル−、アルケニル−、アルキルアリール−、アリール−、シクロアルキル−、アルキルシクロアルキル−及びアルキルシクロアルキルアミン類又はそれらの混合物からなる群から選択される1種以上のさらなる成分、及び/又は1種以上の水溶性イオン性ポリマー成分を含み、懸濁媒体又は溶媒中で、適切な溶媒、好ましくは、少なくともアルコール又はアルコール−水混合物、好ましくは25:75の割合の混合物に溶解されたジヒドロキシ酸形態のスタチンと、1種以上の溶媒、好ましくはアルコール又はアルコール−水混合物に溶解されたさらなる成分及び/又は水溶性イオン性ポリマー成分とを混合し、沈殿生成物を混合塩として単離し、次いでこの混合塩を溶媒又は懸濁媒体中に溶解又は懸濁させることによって、前記スタチン、1種以上の成分及び/又は水溶性イオン性ポリマー成分の懸濁液及び/又は溶液を製造し、前記コーティングを、この懸濁液又は溶液を、スプレー塗布、滴下塗布又はディッピングによって被覆されるべきインプラント表面に塗布し、前記懸濁媒体又は溶媒を、好ましくは蒸発又は気化によって除去し、水溶性の低いスタチン含有乾燥コーティングを形成することを特徴とする方法。 請求項2 前記スタチン及び/又は前記さらなる成分及び/又はイオン性ポリマー成分を含む懸濁液及び/又は溶液の濃度が、前記スタチン及び前記さらなる成分及び/又はイオン性ポリマー成分が、insituの塩形成によって形成される前記コーティング中に10:1〜1:5、好ましくは2:1と1:2の間の割合で存在するように選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 請求項3 噴霧塗布、滴下塗布又はディッピングによるコーティング操作が、1種以上のアルコール若しくはアルコール−水混合物中の前記1種以上の成分及び/又は前記水溶性イオン性ポリマー成分の第一の懸濁液及び/又は溶液の製造、及び1種以上のアルコール若しくはアルコール−水混合物(好ましくは25:75の割合の)中に溶解された前記スタチンのジヒドロキシ酸形態を溶解することによる、懸濁媒体若しくは溶媒中の前記スタチンの第二の懸濁液及び/又は溶液の製造であり、前記第一又は第二の懸濁液及び/又は溶液を噴霧塗布、滴下塗布又はディッピングによって被覆されるべき前記表面に塗布し、前記懸濁媒体又は溶媒を、好ましくは蒸発又は気化によって除去し、次いでもう一方の前記懸濁液及び/又は溶液を、スプレー塗布、滴下塗布又はディッピングによって被覆されるべき前記表面に塗布し、前記懸濁媒体又は溶媒を、好ましくは蒸発又は気化によって除去し、水溶性の低いスタチン含有乾燥コーティングを形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。 請求項4 前記懸濁媒体又は溶媒が、懸濁媒体又は溶媒混合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 請求項5 使用する前記懸濁媒体又は溶媒が、水、又は1種以上の有機懸濁媒体若しくは溶媒、好ましくは前記懸濁媒体としてのクロロホルム、若しくは溶媒としてのエタノール及び/又はメタノール、又は化学的に可能ならばこれらの系の混合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 請求項6 前記スタチンが、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、メバスタチン、スクアレスタチン及びシンバスタチン、並びにこれらの成分の混合物からなる群から選択される成分であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 請求項7 前記スタチンがシンバスタチンであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 請求項8 前記スタチン及び前記さらなる成分及び/又は前記水溶性イオン性ポリマー成分が、水溶性の低い複合体又は混合塩として前記コーティング中に存在することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。 請求項9 前記複合体又は混合塩の純水中での溶解度が、室温で1mg/mL未満、好ましくは室温で0.05〜0.9mg/mL未満であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。 請求項10 前記さらなる成分が、1種以上の非分岐状の、好ましくは無置換の炭素数10〜20のアルキルアミンであり、及び/又はそのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属塩、好ましくはデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン及びドデシルアミンからなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。 請求項11 前記さらなる成分が、好ましくは陽イオン性、特に好ましくは1価の正電荷を帯びた両親媒性成分であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。 請求項12 前記スタチンが、遊離のジヒドロキシ酸形態で、かつ少なくとも一部はアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及び/又はマグネシウム塩形態及び/又はアンモニウム陽イオンとして前記さらなる成分との塩形態で存在することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。 請求項13 前記水溶性イオン性ポリマー成分が、遊離の陽性基を有するポリマー成分、特に生物学的に適合可能なバイオポリマーから誘導されるポリマー成分であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。 請求項14 前記水溶性イオン性ポリマー成分が、天然の多糖類、特に好ましくはデキストラン、セルロース、澱粉、プルラン及びキトサン、並びにそれらの混合物からなる群から選択される多糖類のアミノ含有誘導体を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。 請求項15 前記遊離のジヒドロキシ酸形態で存在する前記スタチンと、好ましくは前記アルキルアミンとして選択される前記さらなる成分が、10:1と1:5の間のモル比で、好ましくは2:1〜1:2のモル比で前記コーティング中に存在することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。 請求項16 前記遊離のジヒドロキシ酸形態で選択されるスタチン及び前記水溶性イオン性ポリマー成分が、それぞれ前記遊離のジヒドロキシ酸形態で用いられるスタチンのカルボキシル基及び前記ポリマー成分に存在する陽性基に基づいて、10:1と1:5の間のモル比で、好ましくは2:1〜1:2のモル比で前記コーティング中に存在することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。 請求項17 前記コーティングが、キャリア無しで、滑らかな、多孔質の及び/又は粗い面に塗布され、前記インプラントが、好ましくは少なくともその一部若しくは部分が、金属及び/又はセラミック及び/又はポリマー及び/又は天然由来であり、前記コーティングが、特に好ましくは直接的に、かつ中間層無しに、そのようなインプラントに塗布され、前記インプラントが、好ましくはリン酸カルシウムセラミック、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムセラミック、バイオガラス、ガラスセラミック、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、有機ポリマー、又は前記材料の複合体を含むか、又は純粋チタン、チタン合金、コバルト−クロム合金若しくはステンレスから形成された金属製のインプラントの表面、又はコラーゲン、ゼラチン又は同種起源の材料からなる天然のインプラント表面を有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。 請求項18 前記コーティングの厚さが、1〜10μmの間、好ましくは0.5〜5μmであり、かつ前記コーティングが、乾燥した、移植前には実質的に水を含まない、実質的に溶媒を含まないコーティングであることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。 請求項19 前記コーティングが、水との混合物であってもよい有機溶媒中のスラリー又は懸濁液として、好ましくはディッピング法又は噴霧法で塗布され、次いで実質的に完全に乾燥されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。 請求項20 請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法によって製造されたインプラント。 請求項21 歯科用インプラントであることを特徴とする請求項20に記載のインプラント。 請求項22 閉環状若しくは開環状のラクトン環を有する、好ましくはアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、メバスタチン、スクアレスタチン、ロスバスタチン及びシンバスタチン、並びにこれらの医薬適合塩からなる群から選択されるスタチン;分岐状若しくは直鎖状の、置換若しくは無置換の、飽和若しくは部分的に不飽和の、炭素数10〜30のアルキル−、アルケニル−、アルキルアリール−、アリール−、シクロアルキル−、アルキルシクロアルキル−及びアルキルシクロアリールアミン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される1種以上のさらなる成分;及び/又は水溶性イオン性ポリマー成分を含み、水性媒体への溶解性が低い混合塩の形態のスタチン含有組成物。 請求項23 前記混合塩の室温、純水中での溶解度が1mg/mL未満、特に好ましくは室温で0.05〜0.9mg/mL未満であることを特徴とする請求項22に記載の組成物。 請求項24 前記さらなる成分が1種以上の、非分岐状の、好ましくは無置換の、炭素数10〜20のアルキルアミン及び/又はそのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属塩であり、好ましくはデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン及びドデシルアミンからなる群から選択されることを特徴とする請求項22又は23に記載の組成物。 請求項25 前記水溶性イオン性ポリマー成分が、天然の多糖類、特に好ましくはデキストラン、セルロース、澱粉、プルラン及びキトサン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される多糖類のアミノ含有誘導体を含むことを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の組成物。 請求項26 前記インプラント表面が特に好ましくは滑らかで、構造化されており及び/又は多孔質であり、かつ前記インプラントは好ましくは歯科用インプラントであることを特徴とする請求項22〜25のいずれか1項に記載の組成物の金属製、非金属製又は天然の(native)インプラント表面をコーティングするための使用。
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